まどかが死んで一月も経っていないが、記憶が風化していることに気づいた
せめて残っている分だけでも書き残そう
車乗り換え事件
まどかが来てから約1年 新潟県中越沖地震が起きた
建物は無事だったし、電気も割とすぐに復旧したのだが
ガスや水道がまだだった頃 母の実家(出雲崎町)に風呂を借りに行こうという話になった
まどかも当然同行した
まどかは最初から車がすきで 数十分程度のドライブは苦にもしない
ご機嫌で窓から風景を眺めているし、飽きたら座席で寝る 非常に手間のかからない乗客だった
行きはまどかは母の車に乗って向かった
父は別の用があったので 現地で合流することになった
人間は無事風呂を借り まどかも出雲崎の面々に挨拶してご機嫌だった
帰りはまどかは父の車に乗った
暫く進むと父から電話が入り 最寄りのコンビニで合流することになった
コンビニの駐車場で話を聞くと まどかは父の車の中から母の車を見つけ あちらに乗る と大騒ぎしたそうな
ドヤ顔で車を乗り換えたまどかと共に帰路についた
たいせつなこと
書いていて気づいたが いちばん大切なのはこういった大きなイベントではなく
いつも一緒にいて、ずっと同じ時を過ごしたという事実なのだな